ジュニア期のトレーニングを考える
ジュニア期のトレーニングで、一番心得て欲しいことは「”昔”と”今”」を同じにしない、「子供は大人のミニチュアではない」ということです。
「俺が小学生の頃は…」なんて言う方がいますが、昔と今では環境が全く違います。
そして、「これぐらいできるだろう」という考えも子供にとってはキツイかもしれません。
大人の考えではなく、子供の目線に立った適切なトレーニングが必要です。
発育・発達を考える
ご存知の方も多いかと思いますが、右の図はスキャモンの発達曲線と言います。
20歳を100%に成長を表したグラフです。
(一般型)
身長や体重、筋肉、骨格、呼吸器、臓器などの発達
(神経型)
脳や末梢神経系の発達
(リンパ型)
扁桃、リンパ節などのリンパ組織の発達
(生殖型)
男の子らしく女の子らしくなるための発達を示しています。
ジュニア期で重要な神経型
ジュニア期で一番重要になってくるのが神経型で、グラフを見て驚く方も多いかと思いますが、神経型は4、5歳で約80%、12歳でほぼ100%になります。
「三つ子の魂百まで」と言われるのも納得できます。
(プレゴールデンエイジ)
5~8歳がプレゴールデンエイジと言われ、神経系が著しく発達する時期であり、ゴールデンエイジの年齢に向けて大切な時期です。
(ゴールデンエイジ)
9~12歳がゴールデンエイジと言われ、神経系の発達がほぼ完成に近づき、一生に一度だけ訪れる「即座の習得」の時期で非常に重要です。
(ポストゴールデンエイジ)
13歳以降になるとポストゴールデンエイジと言われ、発育のスパート(思春期スパート)を迎え、骨格の急激な成長が訪れるため、新たな技術を習得するには不利な「Clumsy(クラムジー)」と呼ばれ、今までできていたことが一時的にできなくなったりすることもあります。
この様に、ジュニア期では一つの専門競技にこだわらず、様々なスポーツを行い神経系の活性化をすることが重要です。
もちろん、専門競技をすることで競技力を伸ばすことも大事ですが、色々な刺激を加えることでプレーの幅を広げたり、新たな可能性を生み出すことも必要です。
このジュニア期でより多くの刺激を加えることで、将来的に競技が変わったとしても習得が早かったり適応力が違うとも言われています。